n月刊ラムダノート Vol.1, No.2(2019)

n月刊ラムダノート Vol.1, No.2(2019)

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計算機好きのための技術解説情報誌

  • エヌゲッカンラムダノート(不定期刊行)
  • 78ページ
  • A5判
  • 紙書籍は1色刷
  • 2019年7月8日 第1巻第2号/通巻2号 発行

n月刊ラムダノートは、nヶ月ごとに刊行される、計算機好きのための技術解説情報誌。コンセプトは「いろんなIT系技術書から1章ずつ選んできた解説記事の集まり」です。毎号3つから4つの記事をお届けします。

目次

#1 LISP 1.5の風景(川合史朗)

プログラミング言語について勉強していくと、いつか必ず出会うLisp。John McCarthy が発明したLisp には、Scheme やCommon Lisp をはじめとする多様な方言があり、現在でも多くの実用的な処理系が世界中で利用されている。

それらLisp 処理系の源流のひとつは、最初期のLisp 実装にさまざまな改良を施したLISP 1.5 である。本稿では、Scheme の処理系Gauche の作者である川合氏により、Gauche によるLISP 1.5 の実装を通じて“LISP 1.5 Programmer’s Manual” の世界を案内していただく。インタプリタの実装例としてのみならず、日ごろLisp 族の言語を利用している人でも現在はあまり意識することがないM式やFUNARG 問題といった初期のLisp をめぐる話題にも触れる。(編集部)

#2 計算機科学から見たディープラーニング(今井健男)

画像認識や自然言語解析における絶大な成果によって、ソフトウェア開発に大きな変化をもたらしたディープラーニング(深層学習)。統計的な処理や、そのための大規模なデータ、さらに、それを扱うための膨大な計算機資源といった新規性、話題性のある側面に目が向きがちだが、ソフトウェア開発の手法であるからには、そのプログラムの検証可能性や安全性など、工学的な側面についても意識して考えていく必要があるだろう。

従来のソフトウェア開発では、論理学をベースとする計算機科学の成果がソフトウェアの検証などに応用されている。本稿では、ディープラーニングについて計算機科学の視点から捉えるとすればどのようなアプローチがありうるか、形式手法とディープラーニングの双方に詳しい今井氏に寄稿していただいた。(編集部)

#3 Q#で始める量子プログラミング(田中孝佳)

少し前までは理論上の存在だった量子ゲート型の汎用コンピューターは、2016年にIBMがクラウド上で公開した5 量子ビットの実機を皮切りに、ここ数年で一気に理論上の存在から物理的な存在になった。実用的な実機が登場するまでには、まだ量子ビット数を増やしたり誤り訂正方式を確立するなど課題も残されているが、来るべき実機で動かすコードを書くことは現在でもできる。

本稿では、量子コンピューターそのものの仕組みや原理のことはいったん脇に置き、Microsoft によってオープンソースとして公開されているQ# を使うことで、コードを通して量子計算がどのようなものなのかを紹介する。ハンズオンやブログ(https: //tech.tanaka733.net/)などを通じてQ#の情報をリリース当初より提供し続けている田中氏に、Q#によるプログラミングについて解説していただいた。(編集部)