n月刊ラムダノート Vol.1, No.1(2019)

n月刊ラムダノート Vol.1, No.1(2019)

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計算機好きのための技術解説情報誌

  • エヌゲッカンラムダノート(不定期刊行)
  • 80ページ
  • A5判
  • 紙書籍は1色刷
  • 2019年4月1日 第1巻第1号/通巻1号 発行

n月刊ラムダノートは、nヶ月ごとに刊行される、計算機好きのための技術解説情報誌。コンセプトは「いろんなIT系技術書から1章ずつ選んできた解説記事の集まり」です。毎号3つから4つの記事をお届けします。

目次

#1 TCPの再送制御機構(西田佳史)

    現代のインターネットでは多くのアプリケーションがHTTPを利用しており、そのHTTP接続の信頼性は長年にわたってトランスポート層のTCPが一手に担ってきた。TCPは歴史あるプロトコルであり、接続の確立手順といった基本的な機能こそ変化していないが、再送制御機能や輻輳制御機能を中心としてさまざまな改良が加えられている。

    トランスポート層の巧妙な仕組みは、TCPの仕様や入門書に当たるだけではなかなか全貌を掴むのが難しい。本誌では、IETFのTransport Areaで活動を続けている西田氏に、トランスポート層を取り巻く技術とその変遷を何回かにわけて解説していただく。今回はその第1回として、ベストエフォートのインターネットにおける再送制御という難題にトランスポート層がどのように立ち向かってきたか、TCPにおける再送制御機構に焦点を当てる。(編集部)

    #2 「 コルーチン」とは何だったのか?(遠藤侑介)

      計算機科学の世界では、日常生活にはない概念が発明、発見され、それらにさまざまな名前が付けられる。 数学や他の工学、あるいは哲学で用いられている用語が借用される場合もあれば、まったく新しい造語が採用されることもある。なかには、よく似た概念や発展させた概念を表すために転用されるうち、文脈によって指すものが微妙に変化し、ときには話が通じなくなることもあるだろう。

      本稿では、超絶技巧プログラミングやRuby 3の静的型解析機能に取り組みながら計算機科学の教科書の翻訳を複数手掛けている遠藤氏に、 そのような用語のひとつとして「コルーチン」を取り上げていただいた。(編集部)

      #3 MLOps の歩き方(有賀康顕)

        いまや機械学習は、ウェブをはじめとする現実のアプリケーションやシステムで数多く利用されている。 とはいえ、現場のシステムに機械学習を投入、運用するうえでは、従来のソフトウェアとは異なる知見も必要になってくる。 そうしたなかで、機械学習システムに特有の課題とその解決へのアプローチに関連し、DevOpsになぞらえて「MLOps」というキーワードを頻繁に耳にするようになった。

        本稿では、これから機械学習システムがますます普及するなかで大きな役割を担うことになるMLOpsについて、 『仕事ではじめる機械学習』(オライリージャパン、2017年)の著者である有賀氏に動機と現在の潮流を俯瞰していただく。(編集部)